産後の骨盤の歪みと体型の変化
産後の骨盤の歪みが、どう体型の変化になるか考えてみましょう。
POINT
産後の骨盤の歪みとお腹
- いわゆる「ぽっこりお腹」です。
- 産後の腹筋や骨盤底筋の筋力の低下が原因です。
- 妊娠中や出産時に、腹筋や骨盤底筋が伸び切ってしまうために筋力低下が起こってしまいます。
- ですが、産後の骨盤の歪みがあると、筋力が戻りにくくなります。
産後の骨盤の歪みとお尻
- 産後にお尻が大きくなって産前の履けてたズボンが履けなくなります。
- 原因は骨盤の開きや股関節の捻じれなどが挙げられます。
- 骨盤や股関節の形が変わることに合わせて、お尻の筋肉が引っ張られ緊張し、お尻が大きくなってしまいます。
産後の骨盤の歪みと猫背
- 骨盤の歪み(と腹筋・骨盤底筋の筋力低下)が、腹腔圧を下げてしまいます。
- 腹腔圧が下がると、肋骨の下(横隔膜の下)が柔らかくなり、肋骨が前に倒れやすくなります。
- これが猫背となり、姿勢の悪さに加えて前への傾きが背筋が常に引っ張られるようになります。
産後の体型の変化が身体に与える影響
産後の体型の変化が、どう身体に影響するのか考えてみましょう。
POINT
腹筋や骨盤底筋の筋力低下
- 腹筋や骨盤底筋の筋力が低下すると、腹圧が低下します。
- 【腹圧とは】
- お腹の空間のことで、腹筋が周囲の壁に・骨盤底筋が底になっています。
- 腹筋や骨盤底筋が力を入れることで腹圧を高める仕事をしています。
- ですが、産後の腹筋や骨盤底筋に力が入りにくいので、腹圧が下がってしまうのです。
- 腹筋や骨盤底筋は、姿勢を支える仕事もしていて、猫背になりやすくなり、特に腰痛に直接影響してしまいます。
お尻の筋肉の引っ張られた状態
- お尻の筋肉は、姿勢を支えたり、動く時に身体と脚を動かすのに普段から常に使っている筋肉です。
- それがお尻の筋肉が引っ張られた状態で力を入れると、筋肉には過度な負担が加わってしまいます。
- (綱引きで引っ張られた状態で力を入れる時に大変な感じ)
- そのため、複数あるお尻の筋肉同士が緊張し続けて、凝り固まって動きが悪くなってしまいます。
- お尻の筋肉が動かなくなると、腰痛・骨盤の痛み・股関節痛に加えて、下半身の痛みが出やすくなってしまいます。
背筋が引っ張られた状態
- 背筋は主に脊柱起立筋(複数の筋肉が集まった総称)という筋肉が、背骨を支え動かす仕事をしています。
- 産後の体型の変化で猫背になると、脊柱起立筋が常に引き伸ばされる状態になってしまいます。
- 筋肉は伸ばされながら力を入れると負担が増えるので、脊柱起立筋にも常に負担が増えてしまいながら生活を送ることになります。
- 脊柱起立筋のダメージは、首こり・肩こり・腰痛に加え、腕や足の動きにも関係するので、全身の痛みに関係してしまうようになってしまうのです。
産後のうちに出来る予防とは?
当院では産後の骨盤矯正で、産後の体型の変化を防ぐよう施術しています。
その他に、後になって身体の痛みや不調を出さないために、産後のうちに自分でも出来ることがないか、参考にしてみてください。
POINT
骨盤の運動
- 座って骨盤を左右に持ち上げて、骨盤の動きを整える体操がお手軽です。
- 【手順】
- ①床にあぐらをかくように座って、両足の裏を合わせます。
- ②片方のお尻を浮かせるように、1秒ほど骨盤を持ち上げます。
- ③左右交互に繰り返し、30秒~1分くらい、1日3回くらい行うとよいでしょう。
- ※骨盤に痛みがある時は、無理に行うのは控えましょう。
POINT
腹筋の運動
- 腹筋は産後は特に力が入れられないので、複式呼吸で腹筋を動かす簡単な運動がおすすめです。
- 【手順】
- ①どの姿勢でも行えますが、自然体に立ってるほうがやりやすいです。
- ②ゆっくり息を吸いながら、お腹をふくらませて、5秒ほどお腹をふくらませておきます。
- ③今度はゆっくり息を吐きながら、お腹をへこませ、5秒ほどお腹をへこませておきます。
- ④交互に繰り返し、30秒から1分くらい、1日3回くらいを目処に行いましょう。
- ※すでに腰に問題があると腰痛を感じてしまうので、腰が痛かったら力をゆるめて無理せず行うか、控えましょう。
POINT
骨盤底筋の運動
- 骨盤底筋も腹筋と同様に自然に筋力が戻らないので、簡単な運動で筋力を取り戻しましょう。
- 【手順】
- ①床に仰向けになって、両足の膝を立て、両手は身体の横で床に置きます。
- ②その体勢で、お尻の筋肉の閉めながら、お尻を斜め上へ持ち上げます。
- ③立てた両膝と身体がまっすぐな状態で5秒キープして、ゆっくり元に戻ります。
- ④最初は5回くらいを目処に、慣れてきたら10回20回と増やすといいでしょう。
- ※これも腰や骨盤に痛みを感じるようなら、無理せず行うか控えましょう。
POINT
お尻の筋肉の運動
- お尻の筋肉が固まらないように、お手軽な運動で予防しましょう。
- 【手順】
- ①床に仰向けになって、片膝を立てます。
- ②立てた膝を、外側にゆっくり倒していき、行くところまでいったら、ゆっくり元の位置までもどします。
- ③今度は膝を内側にゆっくり倒していき、行くところまでいったら、ゆっくり元の位置までもどりましょう。
- ④これを5回くらいを目処に両足おこない、運動していきましょう。
- ※股関節に痛みを感じる場合は、痛みを感じない範囲で無理せず行うか、控えましょう。
POINT
背筋(猫背)の運動
- 産後の体型の変化で猫背になっている場合、背筋の引っ張られてるのを修正してから運動するのがポイントです。
- 【手順】
- ①立った姿勢で両足を肩幅に、自然体になります。
- ②一度お腹をへこませ(もしくはお尻を閉める)力を入れたところを上に持ち上げます。
(身体を反らすのではなく、お腹を持ち上げる意識)
- ③この時、背筋の伸長ストレスが減り、背筋に動かす余裕がうまれるので、この姿勢で肩を回したり、身体を捻る運動をするのがポイントです。
- ④授乳や抱っこなど、同じ姿勢が続いていた後に行うのがおすすめです。
- ※身体の痛みを感じる時は、無理せず軽く動かすか、控えましょう。